シニアの住処は都会よりも田舎の方が良いのではないか?

10年後の日本を想像してみてもらいたい。自動運転の自動車が当たり前の社会になるだろう。特に公共交通機関はすべて自動運転になるだろう。民間企業がコスト面で困るのはいつも人件費だ。私が利用する相鉄線でも電車のつり革広告に相鉄バスの運転手募集がある。

男性のバス運転手が採用できなくて最近は女性のバス運転手を募集している。10年後には、こんな募集もなくなる。バスはすべて自動運転になる。当然、タクシーも自動運転だ。移動の足がすべて自動運転になるとシニアの生活も変わる。

田舎暮らしの高齢者が困る事

田舎暮らしの高齢者は自分が住んでいる地域が「陸の孤島」にならないか心配している。山奥や都会から離れた地方には、若者が住みつかない。そのため、人口が減少して老人だけの地域社会になっている。彼らから自動車を取ったら食料の確保や日常製品の購入も苦労する。まさに、「陸の孤島」である。

70歳以上になると自動車運転免許証を維持することが難しくなる。田舎の人にとって自動車は自分の足だ。足が使えなくなると生活面で息詰まる。自動運転の車や公共交通機関が出来れば、交通の不便による田舎暮らしに明るい光が灯される。

無理して自動車を運転するリスクもなくせる。若い人たちもリモートワークが当たり前になり毎日会社に通勤して働く必要もなくなる。そうなると生活コストが高い都会で暮らす必要性がなくなる。ちょっと郊外や田舎に住居を構えて自然と共存した環境で生活を楽しむことが出来る。

高齢者だけの市町村に若い者たちが戻ってくる可能性が高い。若者が都会で生活をする理由の一つとして通勤がある。通勤に便利な場所に住居を構える。出来れば、住居費が安い郊外や田舎で生活がしたい人が多いはずだろう。子供がいればなおさら自然が豊かな環境で子育てをしたいだろう。

生活面での利便性を改善できる環境が整えられる10年先の社会は、若者にとってもシニアにとっても田舎が魅力的になる。

10年後は、「陸の孤島」問題は解決される。ドローンによる空からの宅急便配送も可能になる。日常で必要なものは、直ぐに配送できる仕組みが整えられる。若い家族や夫婦が田舎に増えてくれば、新しい地域社会が育つ。

今は、老後の利便性を求めて田舎から都会に高齢者夫婦が引っ越してきている。一軒家を売って、都会にマンションを購入する。都市に人口が集中する傾向は、働き方の変化と移動の自動化によって変わってくる。高齢者は、郊外や田舎に留まる。若者たちが逆に都会を離れていく。

あと10年は生きられるという高齢者ならば、無理して都会に移り住む必要はなくなるだろう。今の住処で生活を維持できる時代が10年以内にやって来る。都会には自然がない。自然はお金で買えない。人混みもない。時間はゆったりと、ゆっくりと流れる。

シニアは、絶えず、10年先を考えてこれからの行動を決めたほうが良い。